
最近レマテや強いストロークも打てるようになってきたのでバンバン打っているんだけれど「リスクも考えたほうがいいよ」と言われました。リスクってなんだろう?
こんにちは!
普段からオーナーに「リスク取りすぎよ」と耳にタコができるほど言われています。Ashiyaです。
今回はこんな疑問にお答えしていきたいと思います。
リスクとは
パデルでいうリスクとは、自分が打とうと思ったショットが失点に繋がる可能性と言えるでしょう。
例えばサービスラインにいる人が膝下の打点のボールを100%の力で打ったらどうなるでしょうか。
おそらくネットかアウトするでしょう、もし仮にいいボールが入ったとてしも強いボールは相手の壁で跳ね返り、またたくまにチャンスボールに変わってしまうでしょう。
ネットする可能性、アウトする可能性、相手のチャンスボールになる可能性など、失点に繋がる可能性が高ければ、高いほど、自分が打つショットのリスクは高いと言えるでしょう。
勝利は我慢から
誰しも強力なショットを打ってアッと言わせたいという思いがあるのではないでしょうか!
ハードショットを打ち込み「こんな速い球取れないよ!」
苦しい体勢からチキータを鋭角なクロスに打ち「レボテであんな角度に打てるの!?」
サービスラインまで下がったボールをレマテで打ち「あんなところからレマテポルトレスできるの!?」
こんな感じで観客をざわつかせたい気持ちがあるのではないでしょうか?
私はあります。笑
しかし試合に勝ちたいとなると話は別です。
ぐっとその気持ちをこらえてください。
常にリスク計算を行い、リスクの低いショットからチャンスメイクして、チャンスメイクして、チャンスメイクして、チャンスメイクして最後の最後にミラクルショットを打つ!
そんな心構えで試合に望みましょう。
突然ですが…
前提条件として、あなたはスマッシュを場外に出したい気持ちがあります。
そこで以下の場面を想定してみましょう。
第1球目
相手のボールが足元に飛んできたのでローボレーです。
このボールをスマッシュで相手のコートに打ち込もうとしても絶対に入らないのでリスクは100%です。
フェンスやセンターのガラスを狙ってローボレーでつなぎます。
今回はセンターガラスに打ちました。
第2球目
相手のレボテ力はそこそこあったため、ネットすれすれに近いボレーコースのボールが返ってきました。
この時スマッシュで場外に出せるでしょうか。
しっかりと前に詰めきれていない限りほぼ入らないので、リスク99%としましょう。
ボレーでフェンスに返球することにしました。
第3球目
フェンスでランダムなバウンドをしたため相手は体勢を崩し、ハイボレーくらいのボールが飛んできました。
この時スマッシュで場外に出せるでしょうか。
可能性は高くなってきたもののまだ難しく、中途半端に打ってしまうと壁に跳ね返って相手のチャンスボールになってしまいます。リスク70%程度でしょうか。
体勢を崩しポジションに戻るのが遅れていた相手が見えていたので、ハイボレーで相手の足元を狙いました。
第4球目
壁を使うべきか、ハーフボレーで取るべきか、ノーバウンドで取るべきか悩んだ相手はノーバウンドで取る選択しました。
ボールはフワッと浮いて来ました。
ただチャンスボールがくると思い、ネット前まで詰めていました。
しかし相手のボールは中途半端でチャンスボールではあるものの前体重でスマッシュが打てません。
少し無理をすれば場外スマッシュも十分狙えます。リスク50%
しかし1,2歩後ろに下がりビボラでコーナーを狙うことにしました。
とてもいいボールがいきました。
ドブレ(後ろ横の2枚の壁に当たること)になり、スライスもかかっています。
これで点が決まってもおかしくありません。
第5球目
軌跡的に相手はラケットにボールを当ててきました。
しかしボールはスローモーションに見えるくらい、ふわふわとネットの上を通り過ぎようとしています。
しっかり前に詰める時間と余裕があります。最高の打点で打てます。
あなたはスマッシュを打ちますか?
→はい。打ちます。
→いいえ。打ちません。
ここでまで頑張って下を選ぶ人はいないでしょう。
どうぞスマッシュを打ち込んで場外に出し、会場をわっと言わせてください。
常にリスクを考える
以上のような例は少々大げさかもしれませんが、これくらいリスクのことを考えてプレーできる方は必ず強くなります。
1つ1つの選球は次のショット、そのまたの次のショットに繋がっていきます。
自分たちのリスクは最低限に、しかし相手はより苦しくなるように。
そんなショットが打てるように戦略という知識を身に付け、その戦略を正確に行う技術を身につけていけるといいですね。
間違ったリスクの考え方
私なりの間違ったリスクの考え方をお伝えします。
これは私の実体験ですが、レッスン生がスマッシュを打ったときに
「さっきのスマッシュってリスク何%くらいだった?」
と聞いたときに「50%」と返答した方がいました。
詳しく聞くと、プレー中は自分の打つスマッシュが決まるか決まらないか、という点で2分の1(50%)という感覚だったそうです。
しかし何故か「打てば決まる」と思い込んでしまっていたらしく、後で冷静になって考えるとスマッシュが入るか入らないかの2分の1だったということに気づいたそうです。
パデルでは一発で決まるということはなかなかありません。
ですのでスマッシュが「入れば得点、入らなければ失点」という考えで「50%のリスク」とするのは間違いです。
たとえ無理して打ったスマッシュが入っても、カウンターをくらう可能性がありますので、リスク50%と計算したレッスン生は間違いです。
簡単にまとめると、無理してスマッシュを打った場合以下の可能性が考えられます。
✔スマッシュが入って決まる
✔スマッシュがネットにかかる・アウトする
✔スマッシュは入ったが相手のカウンターをくらう
ということを踏まえると、実は2分の1の確率でポイントが取れるというわけでは無いですね。
おおげさですがこのパターンだと3分1の確率で得点することになり、
3分の2の確率で失点するということになります。
このようなプレーを続けていては試合に勝てる確率は低くなる一方ですよね。
試合に勝ちたいなら
もちろんゲーム中にここまで意識してプレーすることは難しいですし、頑張って意識してプレーしようとしても、その分ゲームが面白くなくなってしまうでしょう。
エンジョイでプレーする分には、リスクなんて言葉は辞書から削除してデハーダ、レマテポルトレス、ビボラをガンガン打つことをお勧めします!
ただ試合に勝ちたい、勝つことが楽しいというタイプの方は日頃からリスクを考えてプレーしておくと、
「このショットは強く打つショットだな。」
「このショットは繋いでおくショットだな。」
という感覚が体に染み込んできますので、自然と1プレー、1ポイント、1ショットを大事に正確に打てるようになっていきます。
パデルコーチをやっている分、その人のショットを見ていれば、リスクとの向き合い方がだいたい分かるようになってきました。
リスクと向き合っている方の方が、上手になるのも早いなと感じています。
ぜひ皆さんも自分とパデルとの関わり方を考えた上で、リスクとも向き合ってみてください!
では今回はこのへんで ちゃお!